
下諏訪 三角八丁コースを歩く
諏訪大社の下社秋宮の門前に位置し、中山道と甲州街道が合流する交通の要所として栄えた下諏訪宿は、69もの宿場があった中山道の中でも、唯一天然温泉が楽しめることで人気の宿でした。
散歩は、下諏訪駅からスタートします。「諏訪大社下社秋宮」までは徒歩10分ほど。一度国道20号に出て右に曲がり、緩い坂を上ると木々に囲まれた「秋宮」が見えてきます。「秋宮」は、見どころが多いのも特徴です。江戸中期の名匠、立川和四郎富棟による幣拝殿、神楽殿は、ともに国の重要文化財。神楽殿前に立つ、狛犬は青銅製では日本最大と言われています。樹齢八百年ともいわれる「ネイリの杉」は「秋宮」の御神木の一柱。
さらに、諏訪明神の龍神伝説にちなんだ温泉の手水舎からは「御神湯」が流れています。「秋宮」から甲州道中に出て、塩羊羹で人気の「新鶴本店」、女神様がお湯を浸した化粧用の綿をここに置いたら温泉が湧いたといわれる「綿の湯」、「甲州道中・中山道合流の地」、そして、「下諏訪宿本陣岩波家」へ。約200年という歴史を誇る建物には、明治天皇や皇女和宮をはじめ、多くの諸大名が立ち寄り、庭園は中山道随一と称されました。旅籠が軒を連ねていた「下諏訪宿本陣岩波家」周辺は、古い街並みが残り、江戸情緒を感じながらの散歩が楽しめます。



「下諏訪宿本陣岩波家」からは北へ向かって歩きます。諏訪地方唯一の前方後円墳「青塚古墳」、女性だけの短歌結社を主宰したアララギ派の歌人の資料館「今井邦子文学館」、下社の七不思議の一つといわれる3帖ほどの神田「御作田社」、江戸時代当時の建築様式や生活用品の展示を公開している「伏見屋邸」などに立ち寄りながら、のんびりと散歩を楽しみましょう。
もちろん歩くだけでもOK。中山道の面影を残す「湯田坂」はまるでタイムスリップしたかのよう。素敵なお店も点在しているので、休憩するのもよいでしょう。


「諏訪大社下社春宮」へは「伏見屋邸」から10分ほど。「結びの杉」は、「春宮」の御神木とされています。「春宮」と「秋宮」の神楽殿と拝殿、左右片拝殿及び御宝殿と続く建物の配置は同じですが、彫刻において、「春宮」は柴宮(伊藤)長左衛門が請負い、競い合うことで素晴らしい彫刻が完成しました。また、入口の御影石の大鳥居は境外にある「万治の石仏」と同じ作者といわれます。種々の謎を生ずる石仏は、 岡本太郎が世に出したことで、多くの人に知られることになりました。
「万治の石仏」から大門通りを歩いて南下します。途中、「春宮」下社最古の木造建築物「下馬橋」、灯籠から「春宮」「秋宮」を結ぶ中山道を一辺とした三角形を三角八丁と呼んでいる「大灯籠」、赤報隊 隊長・相楽総三を祀る「相楽塚(さがらづか)」などに立ち寄りながら、駅に向かって歩きます。下諏訪駅までは40分ほどでたどり着きます。

今回の散歩コースは、歩くだけで100分ほど、諏訪大社下社である「春宮」「秋宮」「大灯籠」をつなぐ一辺八丁コースです。872.72mの三角形の中は、江戸情緒漂う風景が未だ残っている貴重なエリアです。ぜひ、脇道に入ったり、道草をしながら、自分のペースで心地よい散歩をお楽しみください。

