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諏訪地方の花き栽培の歴史
本州のほぼ中央に位置する長野県の諏訪地方は、標高760〜1200mの高冷地であるため一日の温度差が大きく、夏場の日中は暑くなるものの夜は涼しくなります。冬は厳しい寒さになりますが、雪は少なく比較的乾燥し、晴天率も高いため、一年を通して過ごしやすいのが特徴です。この気候条件から、古くから野菜や果物はもちろん、さまざまな花きの栽培が行われてきました。
諏訪地方の花き生産の歴史は古く、全国的に花き栽培が本格化する昭和初期からすでに行われていたといわれています。そのきっかけとなったのは昭和5年(1930年)ごろの世界恐慌です。長野県の中核産業だった養蚕が壊滅的な打撃を受け、それに代わる農業品目として花き栽培が注目されるようになりました。当時はキク、ユリ、リンドウなどの露地栽培が中心でしたが、1940年代の戦時下では食料増産が優先され、花き栽培は縮小し厳しい時代が続きました。それでも諏訪地方の花き栽培は完全には途絶えず、この時期に戦後の再開につながる基盤が築かれたといいます。
1950年代の戦後になると、カーネーションやバラといった洋花の栽培が長野県各地で行われるようになりました。高度成長期には生活の洋風化により花の需要が拡大。諏訪地方は東京・中京圏・関西圏にも近く、高速道路の整備によって輸送が鉄道からトラックへと変わったことで、生産量は飛躍的に伸びていきました。

そのころから諏訪地方は高冷地の気候(昼夜の寒暖差・晴天率の高さ)が評価され、「夏に花を求めるなら信州諏訪へ」と言われるほど夏花の名産地となりました。1960〜1980年代には品種改良や湿式輸送・保冷輸送などの技術導入が進み、品質はさらに向上。その背景には、研究熱心であり地域ごとに協力し合う諏訪地域の生産者の努力があったといわれます。
現在、諏訪地方ではアルストロメリア、トルコギキョウ、キク、カーネーション、スターチス、宿根カスミ草、リンドウ、アネモネなど、約70品目もの花が栽培されています。特に近年はアルストロメリアの生産が急増し、全国的にも注目される産地となっています。
諏訪地方で育った花きは、諏訪の風土(冷涼・乾燥・日照豊富)がそのまま品質に結びついています。色鮮やかで長持ちする諏訪地方の花々を、ぜひお楽しみください。




