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〜「幻の高山茶」そのおいしさの秘密 01〜

古くから伝わる在来品種「幻の高山茶」

茶の段々畑が山の斜面に築かれ、朝霧に包まれることが多いことから「日本のマチュピチュ」とも称される岐阜県揖斐郡揖斐川町春日(旧春日村)。ここでは、古くから在来品種である茶の栽培が無農薬で行なわれてきました。村人たちによって細々と受け継がれてきたこのお茶は、現在「幻の高山茶」と呼ばれ、希少価値の高い極上のお茶として全国的にも知られるようになっています。

日本の茶の産地として知られている地域はいずれも日照時間が少なく、冷涼な山間地です。春日地区も清らかな川が流れ、肥沃な大地、そして寒暖差が激しく朝霧が立ち込める気候を活かして、鎌倉時代から茶の栽培が行われてきました。

春日地区で栽培されている茶は、品種改良がされていない在来品種です。肥料を与えるとその肥料の味を求めて虫が付くので肥料をほとんど与えず、また、虫がつかないように農薬を撒くという悪循環を避けるため村全体が農薬を一切使用していません。形は不揃いな上、生え方も勝手気ままな茶木は5m以上も地中に深く根を伸ばして岩から養分を得て、ミネラルが豊富で、香りが強く、コクのある味わいのお茶を生み出します。

もともとこの地では昭和35年ころまでは桑畑として使用されていました。けれども、養蚕業が衰え始めると茶畑に転換。当時のお茶は高く売れ、村人たちの多くが茶の産業に携わっていたといいます。昭和55年ごろからは、茶の栽培も「やぶきた」が主流となっていきましたが、春日地区の地形が急峻で、機械が茶の改良や植え替えが進まなかったことから、現在も村の半分の茶畑で在来品種のお茶が栽培されています。

「幻の高山茶」には不思議な力があります。飲んだときは「ああ、美味しい」というシンプルな感慨ですが、翌日になってもそのお茶の持つ不思議な力が鼻の中に残り、脳に伝達され、またすぐに飲みたい!と思うようになります。強い味や香りに虜になる人も多く、全国にファンがたくさんいます。

村人たちが守り続けていた古来品種のお茶「幻の高山茶」は今では希少価値が高く、ブランド化されています。けれどもこのお茶はいつまで供給できるかは分かりません。最大の問題は担い手不足。山の斜面で機械化もままならず、手摘みで収穫する効率の悪いお茶畑を継承する若者がほとんどいないためです。

私たちはできる限り、この素晴らしいお茶を提供し続け、希少なお茶の価値を高めていこうと願っております。是非、上諏訪温泉 しんゆにお泊りの際は、売店で販売している「幻の高山茶」を手に取り、優雅なティータイムをお楽しみください。

→次回は、茶摘体験の様子をリポートします。

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