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上諏訪温泉しんゆ~独自の文化が育んだ諏訪の芸術~


開館70周年、諏訪市美術館

諏訪湖観光の中心となる片倉館の隣りに立つ諏訪市美術館は、昭和31年(1956年)に長野県初の公立美術館としてオープンしました。もともとこの施設は、昭和初期に片倉財閥が地域住民のために建設した「片倉館」の付属施設「懐古館」だったものでした。土蔵風の外観、漆喰壁と木部により和洋折衷の趣がある内部はそのままで、当時の様子を今に伝えています。
現在、諏訪市美術館には日本画・洋画・彫刻・工芸・書など、郷土作家を中心とした近代美術作品が収蔵されています。その数は1400点以上。マティス・細川宗英・荻原碌山・東郷青児・平田郷陽をはじめとした日本や世界を代表する著名な作家の作品をはじめ、郷土を舞台に活躍した小口正二・志村一男・野村千春・藤森青芸・戸田祐暉らの貴重な作品があります。収蔵作品展では、テーマに合わせてこれらの貴重な作品を紹介。また、普段地元で見ることのできない幅広いジャンルの作品や地元作家の作品を借りて、企画展や共催展も開催されます。

さらに、細川宗英常設展示コーナーでは、彫刻家・細川宗英の作品を紹介しています。
昭和5年(1930年)、松本で生まれた細川宗英は、小学2年生のときに父親の仕事の関係で諏訪市に転居しました。諏訪清陵高校を卒業後、東京藝術大学美術学部彫刻科に入学。昭和31年(1956年)同大大学院彫刻科専攻科修了後は、彫刻科副手、また他校の講師をしながら国内外の展覧会に出品し、数々の受賞を果たしました。昭和56年(1981年)、東京藝術大学美術学部彫刻科の教授に就任。平成6年(1994年)に亡くなるまで、後進の指導に務めました。

諏訪市美術館では、高村光太郎賞受賞した『装飾古墳のイメージ』の中の1点をはじめ、『王妃像 No.1』『1971 男と女』『道元』『王と王妃 1973』など、初期から晩年までの26点の作品を所蔵。定期的に内容を変えながら展示を行っています。生涯のテーマを「人間存在の追求」としていた細川宗英。時間や歴史を超越して存在するものの造形を探求した作品からは、風化を受け止める静かな存在感が漂っています。

現在、諏訪市美術館では、令和8年度諏訪市美術館 開館70周年記念展「諏訪に刻む」​を9月27日まで開催しています。開館から現在に至るまでの美術館の前半(昭和期)の活動を紹介。開館に携わった作家の作品や、コレクション充実に向けて収集された版画作品などを中心に展示しています。美術をそして諏訪を愛した人々の熱意から始まった諏訪市美術館の軌跡を知れば、作品との向き合い方も変わるのではないでしょうか。初めて訪れた人はもちろん、一度見たことがあるという方も楽しめる内容となっています。

画像提供:諏訪市美術館

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