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上諏訪温泉しんゆ ~ジビエの先駆け「信州ジビエ」~

日本におけるジビエの歴史

ジビエとはフランス語で、狩猟によって得られるシカ、イノシシ、ノウサギ、ハト、キジなどの野生の鳥獣を使用した料理のことをいいます。秋から冬にかけての狩猟期にしかとれない高級食材で、古くから貴族の間で食べられてきました。日本では、古代に狩猟・肉食が行われていましたが、不殺生戒を持つ仏教の普及により下火になっていました。けれども、日本でも山岳部では、貴重なタンパク源としてシカやイノシシの肉が食べられており、郷土食として生活に根付いていました。

ジビエが特に注目されるようになったのは、20年ほど前のことではないでしょうか。全国各地で農作物や森林を荒らす鳥獣被害が多発したことから、その対策として国は有害鳥獣を捕獲し、国産ジビエとして地域振興に役立てる方針を固めました。

それまで、狩猟期は11月から2月でしたが、農作物保護のために1年を通して捕獲することが可能になりました。これをきっかけに、古くからシカやイノシシを食べる習慣があった長野県の諏訪地方でも、平成16年(2004年)頃からジビエ料理を提供する店が増えたといわれています。そして平成19年(2007年)には、長野県が全国に先駆けてジビエの衛生ガイドラインを作成し、長野県産のジビエは「信州ジビエ」としてブランド化されました。

さらに、平成26年(2014年)には、年々各地で拡大しつつある鳥獣被害を防ぐために、厚労省が衛生に関するガイドラインを作成。ジビエは正式に食肉として認められ、流通インフラが整備されました。さらに平成30年(2018年)には、農林水産省がシカとイノシシについて「国産ジビエ認証制度」を制定し、安全・安心なジビエの流通が可能になりました。

このことからも、長野県は全国に先駆けてジビエに注目した、ジビエ先進県であることがわかるでしょう。

ジビエの材料となるシカやイノシシといった野生獣とブタやウシ、ニワトリなどの家畜との大きな違いは育成環境だといえるでしょう。野生獣は野山を駆け回るため筋肉が発達しています。そのため、食用肉に比べて脂肪分が少なく、高たんぱく低カロリー。野山にある木の実などを食べているため、多少のくせはありながらも鉄分やカルシウムも豊富で、栄養満点。正しく捕獲され、解体・調理されたジビエは絶品です。割烹料理店、居酒屋、ホテル、フレンチレストランなどで味わえるジビエ料理。大地の恵みがギュッと詰まった野趣あふれる味わいは、これまでにない感動を与えてくれるでしょう。

→次号は、諏訪地方のジビエ文化をご紹介します。

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